パティシエ科:特別授業
2017 年 11 月 25 日 | 学校長ブログ
11月24日(金)、パティシエ科では来る海外研修の事前学習の一環として、VALRHONA(ウァローナ)様より、ファブリス先生とリン先生を特別講師にお招きして、1年生・2年生合同で特別授業を実施しました。
VALRHONAとは、フランスの業務用チョコレートメーカーですが、業務用のみならず既成のチョコレート菓子も販売しており、どこかで見かけた方も多いかと思います。
授業の中心課題は、「テンパリング」の技法です。テンパリングとは、チョコレートに含まれるカカオバターを分解し、安定した細かい粒子に結晶させて融点を同じにするための温度調整のことで、テンパリングを行うことで、つややかで柔らかい口当たりで、口溶けもなめらかなチョコレートに仕上がります。
それを活用して、今日の第一のお題は「チョコレートで作る花」でした。
まず、テンパリングを施したチョコレートを薄く延ばし、花びらになる部分を作ります。小さな包丁で細長い三角形を描くようにカット線を入れます。
うまくできないところは、指導者の直接指導を受けております。そのチョコレートを丸い筒等に巻いて、冷まします、
チョコレ-トが硬くなったところで、切れ目を入れたところを丁寧に切り取ります。ほんのり弧を描いた細長いチョコレートの花びらができました。
あらかじめ作っておいた、花の中心(めしべ)になる半球状態のチョコレートを張り合わせます。微妙なバランスに慎重に取り組んでおりました。
そこに、先ほどの名花びらを1枚1枚付けていきます。ちょっとした力加減で折れてしまうかも知れません.ここでも慎重に取り組んでおりました。
この段階では、めしべを下向きにして花びらを垂らすように貼っています。めしべと花びらを貼り合わせる接着材は、もちろん溶かしたチョコレートです。
固まってしまった接着用のチョコレートは、ドライヤーをあてて溶かします。いつもは食器や手洗いなどで使用しているシンクも、この日は衛生的に保っております。
貼り終えたところで裏返して完成です。花びらの弧の描き方によって、できあがる花も違うデザインになります。ある学生は「(お茶に使われる)茶筅みたい」と、自らの作品を評価しておりました。
学生たちが頑張った作品が並べられました。残念ながら、花びらが散り始めた作品があったのは、ご愛嬌です。
この一連の流れを見ると、チョコレート本来の特性をしっかりと理解することともに、テンパリングの技術のマスターが不可欠です。
さらにそれらを利用して作成するためのセンスとそれを表現できる精密な技術が求められます。
これこそ、プロのパティシエに必要な資質となります。本校では、様々な取り組みを通して、プロとしての自覚と技術の習得に取り組んでおります。
午後は、チョコレート・コーティングマシンを利用して、ガナッシュをチョコでコーティングする作業に取りり組みました。初めて見るコーティングマシンにもすぐ慣れて、作業も円滑に行っておりました。
普段は学年別の授業ですが、この日は合同授業とあって、異学年での班構成にしました。先輩と後輩が適切に声を掛け、補い合いながら、いつもとは違う雰囲気で授業が行われました。
VALRHONAのファブリス先生。リン先生。お忙しいところご指導をいただき、ありがとうございました。